「老健」てなに?

最近の老健で何か変だと思われることが続きました。一つ目は発熱が続く患者の家族が「いったいどういうわけで熱が上がるのでしょう。肺炎でも起こしているのか主治医の先生に話を聞きたい」と申し出たところ「そんなことを聞くと退所になりますよ」と事務長に言われ、結局退所になって当院に入院して来た方。二つ目は患者の意識レベルが低下しているのではないかと気にした家族が「病院で検査してほしい」と申し出たところ「その必要は無い」と言われ結局当院に相談に来て検査の予定を立てたところ「そんな勝手なことをするなら退所だ」ということになって当院に入院することになった方。老健というのは医療でも無ければ生活の場でも無いという中途半端な立場で結構辛いこともあると思いますが、どう見ても頼まれたから入れてやっているという態度が見え見えです。

そもそも老健というのは病院から直接在宅に向かうのはちょっと無理な方が在宅への準備をする施設として存在しているのではないかと考えていたのですが、これまで胃瘻チューブが入った患者さんの指導も無く退所となりやむを得ず当院で在宅指導やサービス調整を行ったこともありますし、何の準備も無く突然退所というのは少々家族が強引だったとしても社会的な責任が無さ過ぎるのではないかと思います。

当町では老健が無いために他町村に入所せざるを得ないのですが、それにしても普段から在宅の準備をするというならもう少し当町の福祉サイドへの連絡や調整がなされなければやったことにならないと思いますし、いったい老健というのは何をするところなのか良くわからなくなりました。介護保険も始まりますしサービス産業としてもう少し自覚を持たなければ生き残れないのではないかと思います。

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