当病院の基本姿勢は町立病院であるという性格から社会のニーズに対応すること、すなわち社会貢献を行うことに主点を置いています。
病気を治すという病院本来の役割だけから見れば、この町ではもっと小さな規模の病院で事足りると思います。しかし現在の社会が求めるのは長寿社会ではなく、
長寿社会のクオリティをいかに高めるか ということです。様々な病気と共存せざるを得ない高齢者にとってQOLを高めるためには病院からの援助が不可欠です。社会資源を有効に利用する観点から、病院は治療を行うことと同様に高齢者の生活に関わりを持ってアドバイスを行いサービス調整をしたり或いはサービス自体を行うことが必要です。本来の意味で社会福祉が充実されれば病院に求められる役割は減少するものと思いますが、現状ではそのシステムもマンパワーも圧倒的に不足しています。
将来、高齢者が安心して暮らせる社会が実現されれば我々の活動も幕を閉じることになるでしょうが、現在の介護保険を見ても当分実現されそうにありません。私たちに求められる社会のニーズも当分、増えることはあっても減ることは無いものと考えられます。
そのことの意味を職員一人一人が理解して、より貢献度の高い地域医療を目指して努力していきたいと考えています。