経営方針

 現状の病院を取り巻く環境は厳しく自治体病院はどこも苦しい経営状況にあります。病院の規模縮小や統廃合が取りざたされていますがそのことによってより社会貢献度が高くなるのであればやむを得ません。(病院の赤字補填よりも道路を作る方が貢献度が高いのであれば)しかし赤字を補って余りある社会貢献を病院が行っていれば統廃合などの問題は生じて来ないだろうと考えられます。(その判断は住民が行うことになりますが)

 ところが自治体が倒産しかねない財政状況になってきますとそれだけでもうまくいかなくなってきます。病院どころか町が倒産してしまいかねないからです。従って病院という貢献母体を守るという観点から経営問題は非常に大切なことになってきています。

 そもそも医者は経営問題にはどしろうとですし、保険点数のことなど正式に教えてもらったことがないためにほとんど興味がありません。しかし現行の保険制度では病院の収入の大半は保険収入ですから、カルテ記載から始まる保険請求に対して医者が理解を示さないとどうしても取りこぼしが生じてしまいます。そこで医者が保険点数を熟知することから経営問題に取り組まないとどうにもならない状況です。(開業医にとっては当たり前の話でしょうが)

 ですから当院では新人の医師にはレセプトの見方から指導料の取り方など点数表に記載されている項目について細かく指導しています。このことは病院を黒字にするために行っている訳ではありません。貢献母体である病院を存続するために行っているのです。

 当病院は数年前まで不良債務に悩まされ国の自治体病院健全化計画の援助を受け再建中ですが、後1年を残して不良債務は解消する見込みとなっています。

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